【ブラジル】アマゾン川|ハンモックに揺られて、風に吹かれて。

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I’m in Vancouver, Canada.

 


 

お久しぶりです。

 

16カ国・7ヶ月間の中南米の旅も終わり、アメリカ、そしてカナダにやってきました。

今回は、南米旅の終盤で行ったアマゾン川での旅について。

 

 

「アマゾン川を旅する」

 

それはこの旅で果たしたいことの一つでした。ルートは、ブラジルのベレンという町を出て、国境を越えてペルーのイキトスまで。距離は3,700km。2週間以上かかる長い船旅。

 

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ベレンはアマゾン川の河口の町。つまりアマゾン川の最下流部。そして、イキトスは「陸路でアクセスできない町」として最大の町。この町を起点にジャングルツアーなどが開催されている。更に上流までは行けることは行けるが、このイキトスから首都リマにフライトで戻るため、イキトスをこの旅のゴールにした。

 

サンパウロから飛行機でベレンへ。中心部に近い宿に宿泊する。ドミトリーで1泊600円。食事はいつも通り、自炊をして節約。

 

乗ろうとしているアマゾン川を走る船は、週3日ほど出航している定期船。乗客はほぼ地元の人々で交通機関として使われている。

「ハンモックを持参し、船の上で生活する」。そんな船の存在を知ったのは、90年代にこのルートを旅した旅人の本を大学時代に読んだのがキッカケ。そこから「いつかやりたい!」と願っていました。

 

 

出航に向け準備をすすめる

 

チケットを販売する店へ。港の公式な売り場で買うよりも安く購入できるとのこと。

本来は何箇所かで下船し小さな町に滞在しながら旅をする予定だったが、想定よりも時間がかかることが分かる。マナウスというアマゾン川流域最大の都市まで向かうチケットを購入する。200レアル(約6,000円)。出発は翌日の18時。

出発までの準備を始める。川沿いに広がる市場、露店を回る。一番大切なのは、今後の寝床となるハンモック。ハンモック屋が軒を連ねる通りに向かい品定め。その質も値段もピンからキリまである。2人が寝れるようなサイズで、おしゃれな刺繍が入ったものは150レアルほど(約5,000円)。

 

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そんなものは必要ないので最安値のものを出してもらう。25レアル(750円)。作りもしっかりしており、これで問題なさそうだ。船の柱(フック)に引っ掛けるためのロープも5レアルで購入する。

 

市場に向かい、ビタミン摂取のために果物を買う。そして、薬局で蚊よけスプレーを購入。マラリアもデング熱も怖い。デング熱には当分かかりたくない。船で過ごす時間はいくらでもある。Kindleに本をDLしまくる。

 

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★デング熱になったときの話はコチラ

【海外旅行】まさかのデング熱!発覚から退院まで
友人の結婚式の参列のため、クアラルンプールから関空経由でハワイへ。人生初のハワイにワクワクし、乗り継ぎゲートに向かって歩いていると、関空の検疫所で止められる。そして、検査を受けて発覚したのは、まさかのデング熱。

 

早目に船に向かう。ハンモックの場所取りのためだ。

乗り場となる船着き場は町の外れ。宿の人に聞くと強盗が起きたりする治安が良くないエリアとのこと。タクシーで行っても安いのでオススメされる。ベレンにはUberも走っており、300円で行ける。

 

出港の3時間前である15時前に到着。紙製のリストバンドを受け取る。夏フェスで付けるようなやつだ。そのリストバンドの色で行き先(チケット)を区別しているようだ。

 

先客はまだ4人ほどのおじさんたちのみ。おじさんたちの寝床をチェックしていると、コンセントから延長ケーブルをつなげてケータイを充電している。

 

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ネットで事前に調べたところ、「バックパックを括れる柱の近く」「食堂の近くは虫が出るのであまり近くない場所」がオススメされていたので、その条件を満たし、おじさんたちから遠くない位置にハンモックを吊るす。吊るし方がよく分からず、おじさんたちに手伝ってもらう。

 

 

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番号が振ってあるフックにハンモックを掛ける

 

 

いよいよ出発!と思いきや…

 

 

ハンモックに早速横になる。おじさんたちがビールをご馳走してくれる。2缶飲み、昼寝をする。

18時を過ぎるが乗客も増えず、そして出発する雰囲気も無い。数時間の遅れは日常茶飯事と聞いていたので、気にしないで本を読みながらハンモックに揺られる。写真を撮ろうと一眼レフを手にするが、電源が入らず。まさかのタイミングで故障する。

 

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辺りも暗くなり21時過ぎとなるが、まだまだ出発しない。おじさんに聞くと6時に出発とのこと。まさかの翌日発。仕方ないので、蚊よけスプレーを振りかけハンモックで眠る。数時間おきに起きるが何だかんだで朝まで眠る。

 

朝6時を過ぎるが、まだ積み込みをしていたり、のんびりとしている様子。違うスタッフに聞くと、出発は18時とのこと。数時間どこではなく、丸1日の遅れとなる。洗濯をしたりしてまったり過ごす。

 

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午後になると乗客も増え始め、夕方にはたくさんの色とりどりのハンモックが並ぶ。乗客は家族や若者など老若男女。見たところ、旅行者は自分以外には1人しか見当たらない。

 

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最高だ。本当に噂に聞いていた通りのローカルな雰囲気。船は結局19時半に出発。すでに自分は2日目である。すでに思い出がたくさん。幸先いいスタートだ。トラブルも予定外な出来事も起これ起こるほど、記憶に残る。

 

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船は走り出すと、当分は止まることなく走り続けるため、虫は少ない。蚊もおらず不快感はない。

ハンモックの良さを実感する。ハンモックは涼しいのだ。風が通りやすく、蒸し暑さはあまり感じない。そして、ハンモックの下に荷物を置くため、場所を有効活用できる。所狭しと並び、揺れるハンモックを眺めているだけで面白い。これが床に寝るスタイルだとこんなに多くの人が寝れないだろう。ハンモックがひしめき合い、ともに150人ほどが寝ているのだろうか。

 

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始まった船上での生活

 

起床し、市場で買っておいたグレープフルーツを食べる。周りの人とお喋りをする。ポルトガル語はスペイン語に似ていると聞いていたが、全然理解できない。聞き覚えがあるスペイン語の単語に似た言葉を聞き分けては、必死に意味を考える。横のハンモックで眠る青年や向かいの女の子”アマンダ”と遊ぶ。

 

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ベンチに座り、景色を眺める。海や湖のように広大なアマゾン川を眺める。アマゾン川の流域面積は日本の面積の約19倍。川岸にポツンポツンと家が建つ。船のスピードはそこまで早くないため、家の様子や人々の表情、着ているTシャツの柄まで見える。

 

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実はスピードボートという日程も3分の1ほどの早さで行ける船もある。だが、それでは景色やこの生活の雰囲気は味わえない。やはりローカルボートにしてよかった。

 

より深い支流に行ったところに住む人々に会いに行く「ジャングルツアー」はマナウスやイキトスの旅行会社から多く出ており、欧米人旅行者に人気なツアー。町を歩くと、現地の雰囲気から浮いた綺麗な格好をした観光客の姿を目にする。

 

しかし詳しい話を聞くと、何か”作られた”感じがして自分はこのツアーには興味が持てなかった。帰り際にチップをもらい、観光客慣れした「不自然な自然」よりも、この船旅が自分にはリアルに映る。そこには彼らの日常生活があり、損得の無い交流のみ。

 

アマゾン流域には、ジャバリ地区というブラジル政府が先住民の文化を守るため侵入を禁止し、保全しているエリアがある。地区といっても、九州ほどの大きさ。このエリアには、未だに吹き矢を使った狩りをしていたり、裸のような服装や伝統衣装を着た民族が存在する。この地区に入るには、取材などでの許可が必要で一般人が入ることはかなり難しい。

 

 

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バナナやカカオ、アサイーの木が並び、時には家畜を持つ家もある。そんな景色を眺めていると、「ボチャン」と音がする。横を見ると、川へビニール袋を投げる人々。ゴミを捨てているのかと思いながら見ていると、定期船が作る波を乗り越え、小さな手こぎボートでその袋へ向かう子どもたちが。

 

近くの人に聞くと、中には着なくなった服や、食べ物、果物などが入っているそうだ。特に決まりはなく、中身は何でも良いとのこと。”出待ち”をしてるボートが現れる度に2、3個のビニール袋が宙を飛ぶ。

 

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3Fにある売店で食券を買い、1Fにあるキッチンに向かう。

 

タコライスのような、白米と野菜、肉がごちゃまぜになった丼。量も多く、美味しい。節約のため、朝はフルーツ、遅いお昼にこの丼。そして夕食は食べない生活にする。

 

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船内にはシャワーもある。その水はアマゾン川の水をろ過して使用しているため、流れ出る水は少し茶色だが浴びれるだけ十分。飲用水はサーバーがあり、無料で飲み放題。

 

船内の生活は悪くはない。限られた空間の中で、毎日生活しているため次第に顔なじみの人もできてくる。すれ違う度に声を掛けてくれるおじいさんや、朝ごはんをおすそ分けしてくれるおばあさん、アマンダや初日にビールをくれたおじさんなど。

「同じ釜の飯を食い、寝床をともにする」だけあり、次第に一体感が生まれ、会話はジェスチャーを交えながらであるものの急速に仲が縮まる。旅行者が珍しいこともあり、みんな話し掛けてくれる。

 

風邪気味のおじさんに薬をあげ、彼の実家や仕事について話を聞く。アマンダにiPodを貸してあげ、日本の音楽を聞かせてあげる。

 

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終盤の空いてきた頃の船内

 

にはTVもある。丁度その時はサッカーCLの準決勝リバプール対ローマ戦があり、アンテナを合わせて皆で観戦。テレビに映るブラジル人選手の活躍をともに喜ぶ。

 

昼間は移り行く美しいアマゾンの自然と、たまに現れる人々の暮らしぶりを眺め、夜は満月と星空を眺める。場所により生えている植物が変わり、雰囲気も大きく変わる。その豊かな多様性に驚かされる。ある時は、いきなり眼前に広大な草原と花畑が広がり、その黄色の花のあまりの美しさにハッとした。幻のようだった。

 

そして、どこにでも住んでいる人々にも驚かされる。近くの村、集落で必要な物品を得ているのだろうが、何時間、いや何日掛けて向かうのか、どんな食事なのか、どんな1日を過ごしているのか、と興味がわく。

 

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船は時折、町に寄港し、沢山の荷物を積み降ろしする。果物や野菜、飲料、食品、家電、なんでも。その作業を待つため、大体3時間ほどの寄港となる。久しぶりの”地面”を楽しむため、人々に続いて船を降りる。小さな町を歩き、商店を見つけてビールやチョコを買う。船の売店でも買えるが、こちらの方が少し安い。

 

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船は67日かかってこの船の終点のマナウスに到着。乗客たちは途中途中の町で乗船、下船していくため、マナウスまで行く人は少ない。満杯だったのが嘘のように、ガランとした甲板。マナウスに近付くと沢山のビルが見えてくる。久しぶりの大きな街。アマンダにねだられて、別れ際に着けていたブレスレットをプレゼントする。

 

 

ようやくルートの半分が終了

 

次の目的となる国境の町「タバチンガ」行きは3日後のお昼とのこと。マナウスに2泊することに。1週間ぶりのネットで、メールやSNSを確認し今後の旅の情報を集める。マナウスは蚊がとても多い。船よりも不快だ。

 

タバチンガ行きのチケットを買うために、港の売り場へ。350レアル(約10,000円)。ベレン−マナウス間よりも少し高いが、今回は3食付きとのこと。タバチンガまではまた6泊7日。

 

売り場の近くを出ると、多くのダフ屋がいる。話を聞き、値切り交渉をすると320レアルまで落ちる。持っているロンリープラネットには「偽チケットを買わないよう注意を。オススメしません。」との表記。少し信頼できそうなお兄さんを見つけ、320レアルまで下げさせてチケットを買う。

 

出発当日、安宿を早目に出て港に向かう。出港は12時だが、ハンモックの場所取りのため9時到着目標で向かう。目当ての「DIAMANTE号」まで向かい、チケットを見せて乗り込む。

 

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ハンモックをかけられる居住スペースは1F2Fがあり、どちらにしようか迷うが何となく1Fにする。前回と同様に、コンセントと柱の位置を確認しハンモックを吊るす。今回の船は壁がある。眺望を考え、窓から近い場所にする。外見は立派だったが、設備自体は前回の船とそこまで変わらない。

 

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船は14時前に出発。たった2時間遅れなので優秀だ。窓から景色を眺めて過ごす。

夕方になり、食堂へ。スープとパンの夕食。なかなか美味しい。同じく国境まで向かうベネズエラ人と出会い、スペイン語で話せるので一緒に座り食事をする。

 

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19時頃には辺りは暗くなる。本を読み、のんびり過ごす。お蔭でこの1週間でかなりの本が読めた。

 

今回も蚊はおらず。念の為蚊よけスプレーを振りかけ、寝床に入る。寝る姿勢もコツをつかみ、よく眠れるようになる。ハンモックに普通に真っ直ぐに寝るよりも、斜めに対角線の向きで寝た方が広く、そして脚を上げる必要なく、平行になれる。

 

朝はサンドウィッチ、昼と夜はご飯と肉、気持ち程度の野菜という献立。そんな生活をまたしても1週間続ける。近くに陣取っている家族のおばちゃんに、植物を指さしては何か教えてもらう。

 

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国境に面した町タバチンガにようやく到着。ベレンを出発して16日。ブラジル横断を果たす。広い広いブラジルもようやく終わり、ペルー入国が近付く。

 

 

いよいよゴールのとき

 

タバチンガでゴールとなるイキトスへのチケットを買う。この経路は今までの船と異なり、スピードボートが一般的となっている。翌日のチケットを買い、ブラジル出国の手続きを行う。1ヶ月滞在したブラジルともお別れ。

 

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ペルー側の町サンタ・ロサ島へ。このエリアは世界的にも珍しい3カ国(ブラジル、ペルー、コロンビア)の国境エリアとなっており、ペルー側へはアマゾン川を挟んで対岸、コロンビアへは陸続きでタバチンガから歩いて行ける。日帰りであればスタンプもいらずにサクッと行ける。

 

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サンタ・ロサ島でペルーの入国手続き。2月以来の2回目の入国。船の出発は午前3時。遅めのお昼を食堂で食べる。小さな町を歩くが、すぐに行くところは無くなってしまう。本当に入国審査場と食堂、船会社しかない。

 

出発が時間も時間なので、どこで時間を潰そうか悩む。夜中まで空いているような店は中々無さそうだし、夜中に出ていくのに宿に泊まるのは勿体無い。

そんなことを考えながら、昼食を食べた食堂のおじさんと色々お喋りしていると、「ハンモック持っているか?店に吊るしていいから、時間まで寝てていいよ!」と言ってもらう。

夜になると、ハンモックを吊るすのを手伝ってくれ、店の扉の締め方を教えてくれる。

 

「おやすみ。良い旅を。」

 

優しい声色で目の端に皺を作ってお別れをしてくれる。こういう出会いこそが忘れられないものとなるし、旅をしてて良かったなと思う瞬間。美味しい食事も綺麗な遺跡も、同じようなモノ・場所に出会うと記憶が風化してしまったり、どうしても感動度が下がってしまったり慣れてきてしまうが、人との出会い・思い出は忘れることがない。

 

夜中2時に起きて支度をする。お店の扉を閉めて船着き場へ。小型ボートで船会社まで向かい、3時の出発を待つ。出発時は真っ暗なのですぐ眠る。ボートのスピードはかなり速い。揺れもそこまで無く快適。10時間でイキトスへ到着すると聞いていたが、結局着いたのは18時。15時間掛かる。最後の最後まで、時間に関して緩い。

 

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ベレンを出発して17日目。3700kmの船旅の後に、ようやくイキトスに到着。

この3週間弱の生活で感じた事、思いを上手く説明するのは中々難しい。環境も自然も文化も全てが新鮮で、飽きることはなかった。

 

最終日の夜、月も消え空一面に広がる星を眺めながら、やはり来てよかったと思った。

ベレンからイキトスまで全行程を横断した旅人には出会ったことはなく、外国人のバックパッカーも含めてブログの情報を調べても中々出てこない。ブラジル人の友人に話してもクレイジーだと言われた。

 

でも、やってみればやはり楽しい。「暇すぎて死ぬ。辛い。」なんてブログで書いている旅人も多かったが、全くそんなことはなかった。

「好奇心」と「何事もやってみること」の大切さを改めて、雄大なアマゾン川が教えてくれた気がした。

 

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またいつかこの旅をしたい。その時に、この贅沢な時間で何を感じるか楽しみです。

船でブラジルを横断し、アマゾン川を3週間弱旅する。そんな思い出と経験はこの旅のハイライトになりました。

 

日本を出て20ヶ月。旅は約10ヶ月目となり、北米・ヨーロッパへ。

それでは、また。